ちょうどよい時期を、カード一枚ごとに。
QardboxはFSRS-6で復習の予定を立てます。これはカード一枚ごとに、いつ忘れそうかを見積もる方法です。次の予定はその少し手前に置かれます。思い出すのがまだ骨は折れるけれども、きちんと思い出せる、ちょうどその範囲です。
なぜ忘れる少し前なのか
早すぎれば、そもそもまだ頭に残っています。遅すぎれば、とうに消えています。その間に数日ぶんの窓があり、FSRSはその窓をカードごとに狙います。
そのために計画側は、あなたがそのカードをいまどれくらい思い出せそうかを絶えず見積もっています。この見込みは日ごとに下がり、下がる速さはカードごとに違います。Qardboxは次の予定を、それが90パーセントまで落ちる日に置きます。下の図は、その結果が一枚のカードで五回の復習を通してどうなるかを示します。
だから間隔は、時とともにひとりでに伸びていきます。三度続けて確実に答えられたカードは数週間先まで出てきませんし、何度もつまずくカードは翌朝にはまた出てきます。
毎回わかった三回目に忘れた
アプリで動いているのと同じ式で計算し、その検証データと突き合わせています。棒は、一枚の新しいカードの五回の復習をあなたに示します。例示の値であり、収集した利用データではありません。
間隔は一定に伸びるのではなく、そのつど何倍かになります。あるカードを五回続けて覚えていれば、最後にもう一度会うのは一年半後です。三回目で一度忘れると、46日から3日へ戻り、そこからまた伸びていきます。
これは罰ではなく、同じ計算の帰結です。忘れたということは、記憶が見積もりより弱かったということで、プランナーは安定度をそのぶん下げます。そのあとは、最初のときより速く上がっていきます。
安定度がそのまま間隔になる
この90パーセントは丸めた目安ではなく、計算全体の要です。カードの安定度に当たる日数を式に入れると、ちょうど0,9になります。ですからカードの安定度とは、まさにその点までの日数にほかならず、二つの言葉は同じものを別の語で呼んでいるだけです。
そこから、この計画についてあなたが言える最も簡単な文が出てきます。次の復習までの間隔は、日数で表した安定度を整数日に丸めたものです。あなたのカードが21なら、ちょうど21日後にまた会います。
この90パーセントはQardboxで固定されていて、変えられません。値を下げれば間隔は伸びて復習は減りますが、そのぶん知識に穴が増えます。この兼ね合いはアプリがすべて引き受けるので、あなたが向き合う必要はありません。
FSRSはどこから来て、誰が支えているのか
FSRSはFree Spaced Repetition Schedulerの略で、公開されたデータ由来の復習計画法です。決まった箱の仕組みを使いません。QardboxはFSRS-6を仕様に沿って独自に実装しています。参照実装のソースコードは取り込んでいません。
仕様と参照実装:Jarrett Yeほか、open-spaced-repetition、ライセンスはMITおよびApache 2.0。
学習の原則が拠って立つもの
よく裏づけられた記憶研究に拠っています。分散効果は、まとめてではなく間を空けて学ぶべきだと言います。テスト効果は、ただ読み返すのではなく思い出すべきだと言います。そして望ましい困難とは、思い出すときの多少の抵抗が助けになるということです。
最初の裏づけは古いものです。ヘルマン・エビングハウスは1885年に、覚えたことがどれだけ速く薄れるかを自分自身で測りました。ヤープ・ミュレとヨエリ・ドロスは2015年にその実験を追試し、確かめています。ただしエビングハウスが見いだしたのは再学習の節約であって、いまも覚えている割合ではありません。
Jaap M. J. Murre、Joeri Dros: Replication and Analysis of Ebbinghaus’ Forgetting Curve. PLOS ONE 10(7), 2015.
Qardboxはそこから約束を引き出しません。どれだけ学べるかは、あなたの教材とあなたの規則正しさ次第です。そしてQardboxが引き受けるのは、あなたの時点だけです。
きちんと知っておきたい人のために
賢く計画すると言いながら、何にもとづくのかを明かさない学習ソフトがあります。ここには、あなたが計算を確かめるのに必要なものがすべてあります。方式は公開されており、式はこのページにあり、上の図の数字もそれで自分で計算し直せます。
背景にある原則は製品の思いつきではなく記憶研究から来ていて、いちばん古い裏づけは百年以上前のものです。Qardboxがそこから導くものは、はっきり言って効果の約束ではありません。最終的にどれだけ身につくかは、あなた自身が扱う内容と続け方にかかっているからです。
アプリで何度も出会うことばです
これらの言葉はアプリで何度も目に入ります。どれにもこのページ内の固有のリンク先があり、そこを指し示せます。
- 復習待ち
- カードは、予定された復習日に達すると期限が来たことになります。期限の来たあなたのカードから順に出てきます。
- 新規
- まだ一度も学んでいないカードです。まだ予定日がありません。はじめて答えた時点で、FSRSがそれをあなたの予定に組み入れます。
- 復習
- 答えたカードは一回の復習として数えます。あなたが学んだカードと同じことです。
- 安定度
- あるカードについてのあなたの記憶が90パーセントまで落ちるまでの日数です。したがって同時に、次の復習までのあなたの間隔でもあり、整数日に丸められます。新しいカードの安定度は数日です。正しく答えるほど長く持ち、忘れると大きく戻ります。アプリの集計では「保持力」という語で出てきます。
- 難しさ
- そのカードがあなたにとってどれだけ持続的に難しいかです。ゆっくり変わり、正解のときに安定度がどれだけ伸びるかに影響します。
- 記憶保持率
- あなたの答えのうち正解だった割合で、学習の七日ごとに平均を取ります。約90パーセントがアルゴリズムの目標です。
- 習得済み
- カードは、次の予定がおよそ一か月以上先になるほど安定し、しかも何度も正しく答えていれば、習得済みとみなされます。
Qardboxが計画を調整しなおすとき
ある程度の経験がたまると、Qardboxは初期値をあなた自身の値に置き換えます。最初の節目は日をまたいだ評価512回で、続いて1024、2048、以後は倍々です。間隔が広がるのは意図してのことで、データが増えるほど一回分の影響は小さくなります。
計算は端末の中で行われ、あなた自身の値は、検証済みの既定値よりあなたの学び方に合っている場合にだけ採用されます。その推移は、設定、学習、パーソナライズされた復習計画で自分で確かめられます。
日をまたいだ評価
1,024
節目に到達
その元になった個別カード
312
例として挙げた数値です。この二つの数は、アプリの設定、学習、パーソナライズされた復習計画、あなたの推移にあります。
日をまたいだ評価だけを数える理由
同じカードを同じ日に二度引いても、数えるのは一回だけです。十分後にまだわかることは、二週間後にもわかるかどうかをほとんど語らないからです。計画にとって意味を持つのは日をまたいだ間隔だけで、本当に残ったものはそこではじめて見えてきます。